『ゼルダの伝説 ティアーズ・オブ・ザ・キングダム』が発売されてから早ひと月。膨大なボリュームの作品なので、遊び尽くしたという人はまだまだ少ないかもしれないが、もしあなたの初めてのゼルダが『ティアキン』であるなら、他のゼルダも遊んでみたいと思ったかもしれない。たくさんあるゼルダシリーズの中からスイッチで遊べる作品をいくつかピックアップしてみたので是非参考にしてほしい。
まず『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』はマスト
『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド(2017)』はニンテンドースイッチと同時発売された『ティアキン』の前作となるタイトル。これまでゼルダの様式美(悪く言えばマンネリ)だった部分を「ゼルダの当たり前」として見直し、プレイヤーに制限をかけないオープンワールド方式となった。
『ティアキン』と同じハイラルが舞台であり一部登場人物は共通している。すこし前の時系列にあたるので、世界の変化を観察するのも楽しいだろう。『ティアキン』を気に入った理由が「自由さ」であるなら『ブレワイ』は間違いなくオススメできるタイトルだ。
以降は『ブレスオブザワイルド』以前のシリーズ作から現行機で遊べる作品と、遊べないが移植や配信が決まったらぜひ遊んでほしい作品に分けてご紹介しよう。
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Nintendo Switch Online 加入で遊べるゼルダ
ゼルダの過去シリーズの多くはサブスクリプションサービス「ニンテンドースイッチオンライン」の加入特典に含まれている。いきなりゲームを購入するのはハードルが高いという人は以下のゲームから選んでみよう。一部を除きシリーズ全体では難易度は高くなく、初心者にもおすすめできるので気になったものから順に遊んで大丈夫だ。NINTENDO64タイトルに関してはNintendo Switch Online 追加パックの加入が必要な点に注意。
『ゼルダの伝説 神々のトライフォース(1991)』
スーパーファミコンで発売された『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』は2Dゼルダの基礎となった作品。「ダンジョンで新しいアイテムをゲットしたら、そのアイテムを活用して仕掛けを解き、ボスを攻略し、フィールドを開拓。みつけたダンジョンでまた新たなアイテムをゲットする」という流れで進行し、後に『ブレワイ』で見直される「ゼルダのお約束」がここで確立された。ドットグラフィックも可愛らしくサクサク進められる。
『ゼルダの伝説 時のオカリナ(1998)』
NINTENDO64で発売された初の3Dゼルダ作品となった『ゼルダの伝説 時のオカリナ』。後にいくつも3Dシリーズは発売されているが、基本操作はこの作品で既に出来上がっている。3Dゲーム黎明期に発売された本作は、ゼルダ以外のゲームにも多大な影響を与えたとされ、未だに生涯ベスト1ゲームとして本作を挙げる人も多い。ガノンドロフに支配された未来を変えるため、不思議な力をもったアイテム「時のオカリナ」を奏でて子供時代と大人時代の2つを行き来しながら、2Dにはなかった「高さ」を存分に活かしたダンジョンを攻略していく。
『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面(2000)』
『時のオカリナ』の続編であり、やや難易度が高い『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』は、ゼルダシリーズの中でも異色のゲーム構造をしている。3日後に滅ぶ運命にある世界タルミナを救うため、リンクは同じ3日間をひたすらループしていく。
ゲームはリアルタイムで時間が進行し、タルミナの住人たちは3日間のスケジュールに基づいて行動しているので、誰がいつどこで何をしているのかを把握してイベントを効率的にこなしていくことになる。また仮面をかぶることで別種族へ変身でき、リンクとは全く操作感のことなる3種族を切り替えながら攻略していくことになる。スケジュールと複雑に絡んだイベントは把握が難しく、ダンジョンの数は少ないが難易度も概ね高いので、この作品に関してはいきなりプレイせず、まずは『時のオカリナ』を遊んだ方がいいだろう。
『ゼルダの伝説 夢をみる島DX(1998)』
1993年にゲームボーイで発売された『ゼルダの伝説 夢をみる島』のゲームボーイカラー版。カラー化に加えて少し追加要素がある。海難事故に遭いコホリント島に漂着したリンクは島から脱出するため、島の神「かぜのさかな」を目覚めさせる冒険に出る。本作はスーパーマリオシリーズでプロデューサーを務める手塚卓志さんがディレクターを担当しており、他の任天堂作品からゲストキャラクターがいくつか登場する少しユルめな独自世界観になっている。ゲームボーイ作品ではあるがベースは『神々のトライフォース』と同じで、難易度も高くない。
番外編『ゼルダの伝説 ふしぎの木の実(2001)』
※本作はNintendo Switch Onlineにて配信予定のタイトルなので現時点ではプレイできない
ゲームボーイカラー専用ソフトでゼルダシリーズ初の2バージョン同時発売。『ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 大地の章』と『ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 時空の章』に分かれており、ストーリーもダンジョンの謎解きもまったく違う実質独立した2作品だが、ゲーム中に登場する「あいことば」を入力し合うことで両作品がつながるリンク要素がある。
本作はそれぞれ「四季のロッド」で季節を「時のたてごと」で現在と過去を切り替えることでフィールドに変化を起こして進んで行く。開発は任天堂ではなくカプコンが担当しているからか、ジャンプ等若干アクション要素が求められる場面がある。
Nintendo Switch で発売されているゼルダ
こちらはサブスクサービスには含まれていないパッケージかダウンロード販売されているタイトル。
『ゼルダの伝説 スカイウォードソードHD(2021)』
Wiiで発売された『ゼルダの伝説 スカイウォードソード(2011)』のHDリマスター版、Wiiリモコンを振ることで縦横斜めと剣撃の方向を変えることができ、攻略にも活用することになる。『ティアキン』で印象的な空島から地上へダイブするモチーフは本作と共通しており、拠点となる空島「スカイロフト」から各地方に飛び降りて、行方不明となったゼルダを追いかける冒険に出る。
他のシリーズと比較して相棒の精霊ファイによるガイドがやりすぎなほどに充実しており、迷う要素は少ない。おせっかいなほどに案内が出てくるのでその点は好き嫌いが分かれるかもしれないが、ストーリーの評価が高くぜひ遊んでほしいタイトルだ。
剣撃はスイッチ版ではモーション操作と右スティックによる操作のどちらにも対応した。思い通りの方向に切り分けをするのは少々慣れが必要だが、他作品にはない楽しさがあると僕は思っている。
『ゼルダの伝説 夢をみる島(2019)』
前述の『~夢をみる島』をニンテンドースイッチでリメイクした作品。指人形のような可愛らしいジオラマ風のグラフィックやamiibo対応、パネルダンジョンなど新たな要素がいくつかあるが、ストーリー進行やセリフ、謎解きはゲームボーイ版のそれらとほぼ同じなので、スイッチオンラインで既にゲームボーイ版をプレイ済みなら敢えて遊ぶ必要はないかもしれない。
現時点で遊ぶことはできないが、今後の配信タイトルラインナップに含まれているので配信開始が楽しみだ。
現行機では遊べない移植期待のゼルダシリーズ
ここから先もオススメしたいシリーズ作ではあるが、現状ニンテンドースイッチでは遊べないタイトルとなる。近年はゼルダに限らず過去作の移植も多く発表されているので、発売されたらぜひ手にとってほしい。
WiiU発売のゼルダシリーズ
『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセスHD(2016)』
Wiiと同時発売のタイトル『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス(2006)』のHDリマスター版。WiiUのみでの発売なので現状プレイするにはハードルが高い作品だが、『時のオカリナ』のグラフィックデザインを正当進化させたような所謂「リアルゼルダ」として評判も高い。リンクは狼の姿「ウルフリンク」に変身して、謎の相棒「ミドナ」とともに影の領域に侵されたハイラルを救うことになる。
『ゼルダの伝説 風のタクトHD(2013)』
2002年ゲームキューブ用ソフトとして発売された『ゼルダの伝説 風のタクト』のHDリマスター版。所謂「猫目リンク(トゥーンリンク)」のデビュー作で発表当時は賛否を巻き起こした。大海原を小さな帆船で進みながら世界に点在する島々を回り、さらわれた妹アリルを助けに向かう。HDリマスターにあたって単なる解像度アップだけでなく、シェーダーの進化によって抜けた青空と強烈な日差し表現等が大幅に強化された。また、原作にあったある面倒な手順の簡略化など遊びやすさも調整されている。こちらの作品もWiiUでのみの発売となっており移植に期待だ。