『Planet of Lana(プラネットオブラナ)』クリアレビュー【評価・感想】

プラネットオブラナクリアレビューレビュー
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作品概要

どんなゲーム?

 『プラネットオブラナ』は『LIMBO』『INSIDE』に代表される2Dパズルプラットフォーマーだ。プレイヤーは主人公の少女ラナを操作し、美しい自然に満ちた土地をひたすら画面右方向へ進むことでシナリオが展開していく。ラナは直接的な攻撃の手段を持っておらず、隠れて巧く敵を回避したり仕掛けを利用することで撃退し目的地を目指す。2023年8月現在Xbox Game Passにて配信中だ。

あらすじ

 美しい海と自然が豊かなとある惑星。少女ラナが暮らす平和な漁村を突如謎の機械生物が急襲、村民たちを攫っていってしまう。眼の前で恋人を連れ去られたラナは、道中で出逢った謎の生物「ムイ」と協力し、機械と謎の生物たちの邪魔をかい潜りながら、さらわれた仲間たちの行方を追っていく。

よかったポイント

背景の圧倒的”抜け感”

 ゲームのスタートからこのプラネットのどこまでも”抜け感”のある景色に圧倒されるだろう。ゲーム開始と同時に空、海、大地が広がる、ストーリーの導入演出は非常にシンプルではあるが、作品世界観のイントロダクションとしては満点だ。ゲーム中ほとんどの場面はこの手前から奥行きを意識した背景が徹底されており、開放感を覚えながらゲームを進めていける。

 ゲームにはいくつかのシチュエーションが用意されているが、その節目節目で景色を見るためだけの時間を取ってあるのも印象的だ。画面は限界までズームアウトして自然と背景に視線が向く。背景には意味深なオブジェクトが見えることもあり世界の秘密や敵の目的に思いを馳せる時間となるが、ゲームに小休止としても上手く機能している。

相棒ムイの存在

 ゲーム序盤で謎の黒い生物「ムイ」と出会う。ムイはラナの周囲一定の範囲であれば場所を指定して移動させることができる。ムイは敵を陽動したり、遠隔でステージギミックを動かすのを手伝ってくれ攻略に欠かせない相棒となる。ムイは敵と同じような容姿をしているものの敵意はなく、何故かラナに懐く。動きはとても愛らしく、近くによれば意味なく「撫でる」こともできるところはポイントが高い。

難しすぎない難易度

 2Dパズルプラットフォーマーとしては『LIMBO』と変わらず、言語による説明はほとんどない。主人公を操作しひたすら画面右方向へ進んでいくことでシナリオも進行する。各エリアで新しく登場するギミックや敵キャラクターにしても、どのような性質のものかは実際に触って確かめ、攻略にどう活かすかを推測していく。

 ミスはほぼイコール死であるため、クリアまでなかなかのリトライ数を重ねることになるが、コンテニューポイントは細かく設定されているため、ミスしたところだけをやり直せばいいデザインになっている。一部タイミングがシビアな部分もあるが、アクションゲームとしてのテクニックを求める場面は少なく、苦手な人も遊びやすいだろう。

気になったポイント

ゲームとしてはオーソドックス

 ゲームプレイにおいて言えば、本作のアイデンティティといえる特別な要素はない。前述の通りパズルプラットフォーマーとしては非常にオーソドックスで、丁寧な作りであるものの『LIMBO』などの既存タイトルとほとんどプレイ感覚は変わらない。もし『LIMBO』等の同ジャンルをプレイ済みであれば、ジャンルが特別好きか『プラネットオブラナ』の美しい世界観に惹かれる以外に、あえてプレイする理由にはならないかもしれない。

徹底して押し付けないスタイル

 ゲームは終始徹底して言葉を廃している。ゲームで明確なのは機械にさらわれた人々を取り戻すという目的のみで、この惑星の成り立ち、謎の生物ムイの存在、なぜ機械は人間をさらうのか、など世界設定に関する謎について、説明っぽく理由が語られることはない。

 世界観に関することはあくまで「匂わせ」程度に留めており、考察材料がほしければ収集要素を集めろというスタンスだ。考察好きであれば想像の余地が大きく嬉しい要素といえるかもしれないが、僕にとってはオーソドックスなゲームスタイルもありクリアまでのモチベーションを維持しにくく感じた。ラストに盛り上がりはあるものの全体を通してドライとも言える控えめの演出は、ゲームプレイ的起承転結が見えにくく、ある程度ゲームの推進力としてシナリオを活用しても良いのではないかと感じた。

まとめ

  • よくもわるくもオーソドックス2Dパズルプラットフォーマー
  • 徹底した語らないスタイル
  • 圧倒的”抜け感”のある背景ビジュアル

 

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